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電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

さようなら、イケメン君

「ご挨拶が遅くなってしまいましたが、実は僕、今月いっぱいなんです」― 久しぶりに喫煙所で一緒になったイケメン君に告げられました。

今月いっぱいって明日までじゃん。

3月に入ったころから新年度の契約更新、支払い方法や社名の変更の問い合わせが増え、カスタマーサポートは電話がひっきりなしに鳴っていました。

私のほうも書籍と広告媒体、ウェブに新規事業の立ち上げが加わって忙しく、ほんの一瞬を狙って慌ててタバコを吸いにいくような状態でした。

これまでにも何度か喫煙所で顔を合わせていたのですが、私が吸い終わって戻ろうとするときにイケメン君が来るといった具合で、ゆっくり話す時間がありませんでした。

イケメン君が入ったのは年明けからですから3か月しか経っていません。イケメン君としてはまだ続けるつもりだったそうですが、2月末に契約を延長しないことを告げられたそうです。

たまにチラ見する程度だったのでイケメン君の仕事ぶりの詳細は分かりませんが、可もなく不可もなく、無難にこなしていたように見えました。たぶん経費削減でしょう。

4月から別の派遣先が決まっていて、某IT企業のコールセンターでいまと同じような電話応対業務をするそうです。また女性が多そうな。

正社員採用を目指して就職活動を続けているものの芳しくなく、どうしても日々の生活費を稼ぐことでいっぱいいっぱいになってしまい、面接の時間などを確保できないそうです。

いまのご時世、正社員という身分も安心できませんし、1人で生きていく分にはどのような働き方でも構いませんが、彼女と結婚しようというのであれば、やはり正社員のほうが安心でしょう。

日々の生活費のことなど分かりますが、どこかで少し無理をしてでもがんばらないと、このままずるずると派遣社員が続いてしまいます。

また、コールセンターのような業務では、その会社の製品やサービスには詳しくなるでしょうけど、スキルは身につきません。派遣先の選択も楽なほうにいっていないかどうか。

ただ、行動して決めるのはイケメン君です。職務経歴書の書き方や面接のポイントなどを質問されればアドバイスできますが、イケメン君自身が切り開かなければなりません。

イケメンという努力ではどうにもならない強力な武器を生まれながらに持っているのですから、そろそろ本気を見せてもらいたいところです。

最初はカスタマーサポートのマネージャーに「あいつ、クビにしてくれ」と何度も言おうと思いましたが、いなくなると思うと一抹の寂しさがあります。

「今度、合コンをセッティングするので一緒に行きましょうね」と言うところがある意味、期待どおりです。がんばれ、イケメン君。