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電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

最善策

「明日はオレも顔を出すからよろしく頼むな」― オーディションを設定したリペアショップのオーナーからメールが届いていました。

もうメンバーの方と直接やり取りしているのでいなくても構わないのに、そんなに心配なのでしょうか。ステージママでもあるまいし。

明日の指定された場所が一般的なレンタルスタジオではなくプロが利用するリハーサルスタジオなので、実は少し腰が引けています。

しかし、私はいつものメンバーとは違う環境でやってみたらどうなのか、メジャーデビューを控えたバンドのリハはどうなのか、それを見てみたいだけなのです。

知り合いのバンドのリハにふらっと遊びに行くつもりで弾いてきます。メジャーデビューしなくても生活していけるという会社員としての余裕は大きいと思います。

ただ、生活環境を変える必要性を感じていることも事実です。いまの会社に居続ける限り、ふみちゃんのことは忘れられません。

ふみちゃんと私の共通点は電車と職場が近いだけで、それを切ってしまえば一生、接することがなくなります。そして、それが最善策なのだろうと思います。

仮にいまの会社を辞めてバンドでメジャーデビューしたとして、それだけでは食べていけないはずですが、フリーの記者・編集者として生活費を稼げる見込みがあります。

結婚して子どもがいて、守るべき家族があったらこんなことはできませんが、幸か不幸か私は独り身です。自分1人が生きていくだけであれば何とでもなります。

いっそのこと、ふみちゃんに「もう一生、私の前に姿を見せないで。この世から消えて」とでも言われたほうが楽になるのですが。