読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

とんがり君

仕事

「書籍編集部をつぶし、それに付随する人員のクビをあれだけ切ってまでやるほどの価値が本当にあるのかどうか、それを見極めるためだけに残っているので、きれい事には興味がありません」

言っちゃった…。

新しい日本支社長との 1 on 1 でのひと言です。初めは新聞記者を辞めた話やこれまでの書籍制作、現在の業務のことなど和やかな雰囲気で話していたのです。

しかし、途中から「お客さまの満足度を」「お客さまのためを」と理念を話し始め、うんざりしていたところで「この会社をもっと良くしたい」と言われ、冒頭の台詞を吐いてしまいました。

書籍出版事業の廃止を決めたのは前任者であり、彼には何の関係も責任もありません。ただ、あまりにもお花畑なことを言うので、つい辞めていったメンバーの無念を思い出してしまったのです。

彼は一瞬、きょとんとしていましたが、「そうか、分かった。それでは今年の戦略について」と話題を戻しました。このあたりはさすがと言うべきでしょうか。

それに引き替え、私は大人になりきれず感情をあらわにしてしまう子どもです。無益だと分かっているのに、われながら、なぜここまでとんがってしまうのか。

利益率が低い書籍出版をやめ、初期投資は高いもののその後は安価なランニングコストのみで利益率が非常に高い(と思い込んでいる)オンライン製品にシフトしました。

私は今年から製品を企画・開発する部署に異動しています。ただ、良い製品を企画しようなどと意気込んでいるわけではなく、価値があるか見極めたいだけです。

週1回のチームミーティングも端の席に座り、考えているふりをしながら傍観しています。昨年、退職合意書を突きつけられて以来、すべてが他人事に思えます。

ミーティングで意見を求められたら、いつか冒頭の台詞を吐いてしまいそうです。いつまで経っても大人になれないとんがり君です。今日のおやつはとんがりコーンにしよう。