電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

夢で逢えたら

ここ最近、たて続けに知人の訃報を耳にしています。

1人は横浜のバンド仲間で、初めて会ったときはひげ面でガタイがよく、右腕にトライバルタトゥーが入っていて、とにかく怖かったのです。

しかし、彼が作る曲と歌声、アコギの音色はとても優しく、またてっきり年上だと思っていたら実は同い年だったことを知り、一気に仲良くなりました。

会うたびに「いつか一緒にバンドをやろう」と言っていて、お互いにまだ若いのでいつでもできると思っていたら、いきなりいなくなってしまいました。

1曲だけ、うちのバンドをバックに『夢で逢えたら』を歌ってもらったことがありました。観客が1人もいないスタジオでのリハ音源ですが、貴重な宝物になりました。

そして、もう1人は野毛にあるバーのオーナーです。何度か入退院を繰り返していたので気になっていたのですが、昨夜のジャズバーで知人から訃報を聞きました。

銀髪をリーゼントにした姿が岩城滉一にそっくりで、黙っていればダンディーなおじさまなのですが、下ネタ大好きなエロオヤジで。

作ってくれる酒のつまみはどれも美味しく「1人暮らしでどうせまともなもの食ってねーだろーからこれ食え」と帰り際に必ず栄養バランスの取れた食事を出してくれて。

子どものころから兄がいる友人が羨ましくて「自分にもカッコイイ兄がいたら」と思っていたのですが、それが具現化したような人でした。

2人とも黙っていると強面なのですが、仲良くなると見られる笑顔がとても人懐っこく、誰からも好かれていました。そして、訃報を耳にしたたくさんの人が本心で泣きました。

よりにもよって誰からも好かれる人気者をなぜ選ぶのか、ノルマがあるなら私のようなブサイクを選べばよいのに、と思うのですが、死神は気まぐれです。

生き残ってしまったのであれば仕方ありません。もう少し生きるために至福の二度寝を。

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