電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

再会

「お久しぶりですね。もうかれこれ何年前になりますか。まさかご一緒することになるとは思いませんでした」― すげー!やっぱりできる男は違うよ!

今日、新しい日本支社長と顔を合わせたのですが、開口一番に上記のように話しかけられ、期待しつつも半信半疑だったので本当に驚きました。

昨日、帰ってから新聞記者時代のスクラップブックをひっくり返して以前のインタビュー記事を探したところ、正確には6年前でした。私が新聞記者として脂がのっていた時期です。

彼は前職で新規事業のリーダーに抜擢されたときで、紙面に掲載した写真では穏やか表情に見えますが、実際は野心に溢れてギラギラしていたことを思い出しました。

…が、実のところ顔を合わせるまで私のことを覚えていなかったというオチがあります。

今日顔を合わせるスタッフの資料は事前に受け取っていたものの、現職での情報しかなく、前職などこれまでの経歴は知らされていなかったそうです。

ただ、私の名前を見て「ん?」と思ってはいたそうで、会議室に入って一目見た瞬間、「あっ!」と思い出したそうです。すぐにずっと覚えていたように振る舞うのはさすがというべきでしょうか。

もちろん、今日は難しい話などする時間はありません。ひとまず各事業のポイントとなる人間と顔を合わせ、現状を大ざっぱに把握するだけです。

また、グローバルで見たときに、日本支社の売り上げが微々たるものであることに変わりはありません。しょせん極東のちっぽけな島国でしかないのです。

彼は多分、相当の成果を求められているはずです。契約時の報酬も相当なはずですが、それでも見合っていないぐらいの結果を出さないといけないでしょう。そして結果が出なければ即クビです。

まだ50歳にもなっていないのに、ずいぶんハードな人生を歩んでいると感心してしまいましたが、本人はこれが楽しいのでしょう。私には真似できません。

ちなみに、新しい日本支社長と私がどうも知り合いらしいという噂がオフィスを駆け巡り、他部署のマネージャーが早速、接触してきました。

6年前にインタビューしただけで仲良しでもなんでもないのですが、ハッタリが効きそうなのでしばらくこのままにしておこうと思います。

サラリーマンは人事情報が大好きな生き物なのです。