電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

顔で笑って心で泣いて

自分の常識が他者にとって常識でないことは多々あります。

「こうすることが当然」と思い込んでいて指示しなかったことが伝わっておらずミスにつながると「何でそうしないんだ」「言わなくても分かるだろ」と怒ってしまいがちです。

しかし、そこで他者を怒るのは筋違いであって、きちんと口に出して指示しなかった自分が悪いのです。自分にとっての常識や思い込みは特に注意しなければなりません。

…でも、やっぱりイライラしちゃうの(涙)

書籍の執筆には、1人で1冊を書き上げる単著と、複数人で1冊を書き上げる共著の2通りの方法があります。私が制作している専門書ではさまざまな分野のエキスパートが集まって書く共著が多くなりがちです。

いま携わっている書籍はやはり共著で、第1編と第2編で構成し、それぞれを別の著者が執筆していますが、読者にとっては1冊の書籍です。第1編と第2編で別々の書籍のように感じさせるわけにはいきません。

著者は校正する際、自分が執筆していない部分も見るはずです。第1編の著者が第2編を読んで「あちらではああいう感じで書いているなら、こちらはこういう感じに直そう」と思うことがあるでしょうし、その逆もしかりです。

著者にゲラを送付するとき、第1編の著者には第1編だけ、第2編の著者には第2編だけではなく、全体を送付するのは当たり前のことです。不要と指示があれば送付する必要はありませんが、原則として通しで送付するべきです。

…というのは私にとっての常識だったようです。

月曜日、著者へのゲラの送付をアシスタントにお願いしたのですが、第1編の著者には第1編だけ、第2編の著者には第2編だけしか送付していなかったようです。

それぞれの著者も通しで送付されると思っていたようで、出社したら「ふつう通しで送るんじゃない?」と軽くキレ気味のメールが届いていました。いや、私も当然、通しで送付していると思っていました。

私が送付をお願いしたのは昨日書いた女性です。常識だと思い込んでいた私が悪いですし、彼女は今日も拗ねているので「通しで送るのが当然だと思いません?」など責める口調はいけません。

「きちんと指示しなくて申し訳ありません」から始めて再送の用意をお願いしました。部下の尻を拭くのも仕事の1つです。ただ、直接言えず、ぐっとガマンして生じるストレスをこうして吐き出しているわけです。

顔で笑って心で泣いて。