電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

風向き

風向きが変わってきたかもしれません。

書籍の増刷部数を決めるプレゼンであっさりと増刷が承認されました。初めは強気の部数を提示して、徐々に減らして妥協点を探ろうと考えていたにもかかわらず、初めの部数で決定です。

さらに、このどさくさに紛れ、書店からの問い合わせが続いているタイトルについてもダメ元で増刷申請を出してみたところ、こちらもあっさりと承認されました。

書店営業と一緒に相当の理論武装で望んだにもかかわらず、完全に肩すかしを食らいました。逆に何か裏があるのではないかと勘繰ってしまったのですが、単に売上が足りていないようです。

昨年末の議論、「利益であろうと書籍に関する金銭の動きは一切認めない」とまで言い切った、あの頑なな態度はいったい何だったのかと空しくなります。

名目上は書籍の売上ではなく営業の売上として扱われるようですが、「必要としている読者の全員に届けたい」という著者の思いを叶えられるのであれば、扱いなど何でも構いません。

書籍出版事業からの撤退と書籍編集部のクビ切り以降、場当たり的な対応で著者と読者をごまかし続けてきた会社の態度がとにかく嫌でした。

「刊行点数を見直すことになった」「増刷の根拠がシビアになった」など、本社が米国にあるのをよいことに、書籍をやめるとは決して言わず、その場を取り繕ってきました。

それを、忙しい本業の合間を縫って書き上げてくれた著者の苦労や、アンケートで真摯な意見をくれる読者の思いを痛感している、現場の編集者や営業に押し付けました。

手に取ってくれる読者のために書いてくれた著者、それを読んで日々の業務に活かしたいと思ってくれる読者、その両方を裏切っているようで、本当に辛かったのです。

「新しい支社長は日本人で、うちの書籍を読んで“こんな立派な書籍を出しているなら”ということで話を受けたらしい」― 社内の情報通から聞きました。

もしかしたら、思っていたよりも早く書籍編集部を復活させることができるかもしれません。ただ、良くも悪くも判断が速い外資系ですから、過大な期待はできません。

それに、書籍編集部を復活しようにもたくさんの貴重な人材が流出してしまいました。仮にいま新刊を出せと言われても、人も企画もありません。

ただ、陳腐な言葉ですが、真っ暗闇の中に少しだけ光が見えた気がしています。私が社内でもう少し力を持てば、新たな書籍編集部を作ることができるかもしれません。