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電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

美人は得をする

日常 景子さん

「同伴のお客さんがキャンセルになって時間ができたからごはんだけでも一緒に食べようよ」― 自宅にこもって英語の勉強をしていたところ、景子さんに呼び出されました。

同伴出勤にアフターにと、この3日間はホステスにとって稼ぎ時です。特に景子さんはもうすぐ辞めるため、景子さんとクリスマスを過ごすために大枚が飛び交ったそうです(同僚談)。

大枚をはたいて景子さんとの同伴出勤を勝ち取ったにもかかわらずキャンセルせざるをえないとはよっぽどのことがあったのでしょう。トラブルとはここぞというときに発生するものです。

急だったのでお店の予約など当然していません。「ちょっとでも会いたかっただけだからファミレスでもいい」と景子さんは言いますが、そうは言ってもいい大人の男としてのメンツがあります。

とはいえ、16時前という微妙な時間で、景子さんはそのまま出勤なのであまり遠くにも行けず、さらに若造ばかりで騒がしいところに連れていくわけにもいかず。

そこで、横浜のミュージシャン仲間というか大先輩のピアニスト(御年68歳)に何度か連れていっていただいたお寿司屋さんに行ってきました。

わたくし、ありがたいことに年長者にとてもかわいがっていただいており、親父と同年代もしくは年上という方々とよく飲みに行っています。

その年代のミュージシャンなど遊び人です(褒めています)。私のような若造1人では入りにくいような敷居が高いお店も「先代とは昔一緒に悪さしていた」というレベルです。“当代”ではなく“先代”です。

いまでこそ数十年も続いて老舗と呼ばれるようなお店も、諸先輩方にとっては「開店したばかりで閑古鳥が鳴いていたときに通って金を落としてやった」と言わしめるぐらいです。

私は仕事でもプライベートでも虎の威を借る狐にだけはならないよう心がけています。とにかく格好悪いですし。しかし、今日だけは虎の威を借りました。

「○○さん、すみません。○○寿司に女の子を連れていきたいのですが、口きいてもらえませんか」「美人か?」「そりゃもう」「よし分かった、待て」

3分後に折り返しがあり、入れることになりました。開店30分前でまだ仕込み中だったのです。持つべきものは年上の遊び人です。そして、静かにゆっくりとお寿司を堪能しました。

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帰り際「無理をお願いして申し訳ありませんでした」とお礼を言ったところ「○○さんにはお世話になっているから。本当に美人だったって後で伝えておくよ」と。

もし、景子さんが美人でなかったら大先輩に怒られていたかも。やはり美人は得をするのです。しかし、お寿司屋さんの大将も実は“男同士”だったことには気づくまい。