電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

被害者意識

「いまから社会部に行ってオレが話をつけてくるからお前は原稿を書け!」― 新聞記者時代、輪転機が動き始める30分前にデスクとこんなやりとりを何度もしていました。

それと同時に近くにいる別の記者が紙面を組み上げる制作部に電話し、1面トップの差し替えと、そのために何文字で書けばよいかを確認します。私はその1~2分で記事の大枠を考えます。

そして正確な文字数が分かったところで一気に書き上げます。800文字(400字詰め原稿用紙2枚分)ぐらいを10~15分で書き上げ、デスクに確認してもらって校了です。

考えを一瞬でまとめて一気に書き上げる訓練を受けてきたため、ブログを更新するときも1本10分ぐらいで書いています。仕事中の休憩時間にさっと書く感じなので、1日に複数回、更新できるのです。

それが1日に1本、しかも短めだったりするということは、かなり追い込まれているということです。考えをまとめるための十数分の落ち着ける時間すらない、ということです。

いま、とてもイライラしています。仕事が集中するのを見越して、そのためにお願いしている派遣スタッフさんが全員、こういうときに限っていないのです。

採用した3人のうち、年配の女性はお子さんの個人面談で休むとうかがっていたところで今度は実父が亡くなったとのことで今週は全欠席、またもう1人の男性は風邪、そしてもう1人は例の彼で本格的に来なくなってしまいました。

お子さんの個人面談も身内の不幸も仕方ありません。また「体調管理も仕事のうち」というものの風邪を引いてしまうのも仕方ないことです。頭では理解できるのです。

ただ、その結果としてすべて私に集中しています。これをお願いするためだけにわざわざ採用したのに、肝心なときに誰もいないというのは一体どういうことなのか、と思ってしまうのです。

当人たちも休みたくて休んでいるわけではありませんし、「しょうがないじゃん」としか言えないのです。そう、仕方ないのです。本当にそう思います。被害者意識ほど醜いものはありません。

しかし、やはり「1日も無駄にできないときに何でよりにもよって」と思ってしまいます。2週間だけ集中してやらないといけないときに何で1週間もいないのか。それ以外なら別に構わないのに。

そもそも、今回は無期限ではなく当初から3か月間だけという契約での派遣スタッフさんなのです。たった3か月間だけなのに休みすぎではないかと思ってしまいます。

こんなことは周囲に口に出して言えないので、やはり自分1人で抱え込んでいます。作業は雑誌チームのアシスタントさんの手を借りて片付けているのですが、やり方などを一から指示しなければなりません。

ふと気づくと、無意識のうちに舌打ちを繰り返していたようで、同僚に指摘されました。焦ってイライラするのは分かるが抑えろ、と。自分の器の小ささに凹みます。

明らかに誰かが悪いということであれば分かりやすいのですが、誰も悪くないので怒りをどこにもぶつけられません。これが本当に辛いです。

せめてふみちゃんに毎日会えていたら少しはマシだったろうに、いまは良いことが何もありません。世の中にはもっと大変な人もいっぱいいるのでしょうけど、つい被害者意識にとらわれる毎日です。

終わったら散財してやる!