電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

水商売

彼女が水商売という男性はどのような気持ちなのでしょうか。

ここでいう「水商売」とは、ホストとして男性が女性客をもてなすのではなく、ホステスとして女性が男性客をもてなすことを前提にしています。

水商売とひと口に言っても、カウンターを挟んで対面して話し相手になるだけのものから、セクシーなドレスを着て客の隣に座ってたまに触られるものまであります。

ただ、客は料理や酒よりも女性を目当てに訪れることが主で、客に合わせて酒を飲まなければならないことが多く、昼間に会社員として働いている女性に比べて身の危険が多いことは共通しているでしょう。

もし、私に彼女がいて、彼女が水商売だったら、できれば辞めてほしいと思います。職業に貴賎はないと思っていますし、理由があって仕方なく水商売をしていると頭で理解できても、気持ちでは理解できません。

触られることはもちろん嫌ですし、「水商売の女性=軽い」と思われ、不特定多数の男に性的な目で見られることすら嫌です。器が小さいな…と自分で思います。

水商売の女性が軽いということはなく、むしろ堅すぎるぐらいであることは、景子はもちろん、景子の友人の本当の女性のホステスたちを見て知っています。

ただ、水商売の女性に対してそのような目を向ける男がたくさんいることもまた事実で、なぜそういう思考回路になるのか、想像力の貧弱さがばかばかしくなります。

なぜか激おこぷんぷん丸になった景子のご機嫌取りでお買い物に出かけたところで、景子の常連客から電話があり、彼女はそちらに出かけていきました。

肩を抱いてきたり太ももを触ってきたり、嫌な客らしく、ふだんならこんな誘いは断ります。ただ、金払いが良く、景子自身は間もなく店を辞めるため、今後も来店してもらうため辞め際に気を遣っているのです。

「ずずずくん、ごめんね…」

私は景子と付き合っているわけでなく、とはいえ完全に男同士というわけでもなく、世間一般の杓子定規に当てはめて考えられない、とても複雑な関係です。

好きな女の子ができてもよいし、もし付き合うようなことになったら家に行ったりなどせず、ごく普通の相談相手としてたまに話を聞いてくれればよいと言っています。

幸か不幸か、私に彼女ができる気配がまーったくないため、複雑な関係が続いているのですが、もし景子が本当の女性で、私の彼女だったらどうなのだろうかと思うことが多々あります。

ほら、そこ!「本当の女性だったらお前みたいなブサイクと付き合わないよ」という真実はあえて口にしない!そんなことは言われなくとも分かっているのですよ。

さまざまな事情を理解しているので水商売であることを何とも思わず、今日も「日曜日なのに大変だなあ」と快く送り出したわけですが、彼女が水商売という男性はどういう気持ちなのだろうとふと思いました。

彼女も相手がすべてを理解している私だから常連客のほうに顔を出しにいったはずで、私以外だったらきっと誘いを断っていたと思いますが、こういうときに彼氏だったらどうなのでしょうか。

仕事だけでも大変なのに、プライベートまでなぜわざわざこんなややこしいことになっているのか。ブサイクはいろいろと苦労する星の下に生まれているようです。