見本が届く
届きました、見本。明日には倉庫に納品され、日本全国への出荷準備が始まります。やはり束幅は10ミリにしておいて良かったです。7ミリだったら貧相だったと思います。
もしかしたら、私が編集者としてメインで担当する人生最後の書籍になるかもしれません。乱丁や落丁がないかパラパラとめくって確認しているときも、いつも以上にしみじみと制作過程を振り返ってしまいました。
斜め読みしていたら、気になる箇所を見つけてしまいました。
ここ数年間はずいぶんと関西地方のクライアントが増え、
となっているのですが、
ここ数年間、関西地方のクライアントがずいぶんと増え、
としたほうが良かったのではないかと思うのです。誤脱字といった致命的なミスや間違いではありませんし、前者でも違和感など覚えずに読めると思います。
「数年間は」を「数年間、」としたほうが良いかもしれないと思ったのは私の感覚的なものです。前後の流れから「数年間、」としたほうがリズムが良いように感じましたが、前者のほうが良いと感じる方も少なくないでしょう。
ただ「ずいぶんと」の位置は後者のほうが良かったかと思います。「ずいぶんと」は「増え」に掛かっているわけですから、その直前に置いたほうがより自然なのではないかと思いました。
しかし、もし後者にしていたら、前者のようにしたほうが良かったのではないかと思っているはずです。書籍を制作するたび、いつも感じることです。どちらも正解なのですが、別の答えのほうが良く思えてしまうのです。
編集という仕事は正解がありません。とても難しく、辛いと感じることが多いのですが、それでもやはり楽しく、やりがいがある仕事です。またいつか、1から書籍を制作してみたいと心から思っています。
メインではなく、進行管理だけ担当している書籍があと6タイトル残っています。この6タイトルのうち、最後のタイトルは来年の5月に完了予定です。それで本当に書籍の制作は終了です。
あとは日本でのビジネスを理解せずExcelの数字だけ見ている外人どもが消えて、書籍出版が復活することを祈るのみです。来たる日に備え、少しずつ企画を貯めていこうと思っています。