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電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

営業の無茶振り

仕事

私はこれまで新聞記者、編集者と、いわゆる製品開発側しか経験したことがなく、あの手この手でお客さまのご機嫌を取り、時には理不尽なことにもガマンしてそれを売る営業を経験したことがありません。

しかし、営業の大変さを少しは理解しているつもりです。もちろん、日々苦労されている営業の皆さまの本当の気持ちは理解できませんが、新聞記者時代に数万円の広告をもらうために土下座したこともあります。

そのときは「金が欲しければどういう姿勢を見せればいいか分かるだろう?」などと言う人が現実にいると思っていませんでした。そのようなものはドラマの中だけと思っていたので、むしろ楽しんでいました。

ただ、経験したことがある人であれば分かると思いますが、土下座は決して気分の良いものではありません。いまでもこうして思い出すぐらいですから、無意識的にかなりの衝撃を受けていたのだろうと思います。

「製品開発には時間がかかるのに、営業はすぐに金になるものを出せと言う。オレたちをタダ飯食らいの金食い虫だと言うが、オレたちが作る物があるからこそ、それを売る営業の仕事があるのだろう」

「時間をかけて製品開発に取り組めているのは、会社を存続させていくための現金をオレたち営業が稼いでいるからだろう。暴風雨だろうが毎日、客先に足を運んで作り笑顔をする辛さがお前らに分かるか」

製品開発側と営業側、ここまでステレオタイプのやり取りは少なくなっていると思いますが、決してなくなってはいないと思います。本来はどちらが偉いなどということはありえず、どちらも対等なのですが。

要は、私はできる限り営業に協力したいと思っているのです。「もう少し安くできるんじゃないの?」「前の担当さんはこの金額だったけど?」など、嫌みにも笑顔で金を稼いできてくれる営業に力を貸したいのです。

でもね…。

でもね……。

さすがにこれはないと思うの。

「大阪のインタビューは10時~12時ですよね…余裕をもって16時30分に丸の内でインタビュー入れてもいいですか?」

あさって9日(水)にまた日帰りで大阪に出張するのですが、インタビューはもちろん新大阪駅のホームでやるわけではなく、中心部ですが市内を移動します。

このほかにも細々と消費する時間がいろいろあります。駅のホームで電車を待つ数分、電車を降りてから歩く数分、もっと言うとインタビューするのはビルの30階でエレベーターを待つのに数分とか。

丸の内であれば東京駅です。新大阪~東京は3時間弱。それだけの距離を移動するのに分刻みどころかストップウォッチで測らなければならないぐらいのスケジュールはさすがに無理です。

それに指定席でずっと座れるとはいえ、高速での長距離移動は体に堪えます。そもそも、10時に大阪(正確には北浜)でインタビュー開始となると、私が家を出るのは5時台です。

午前中に大阪でインタビューして、トンボ返りで都内でもう1本のインタビューはさすがに辛いの…そこまでの給料もらってないし…ふみちゃんに頭なでなでしてもらえるならやってもいいけど…。

新聞社と出版社からの誘いには取り急ぎ、メールでお断りを伝えてしまいました。直接会う、無理ならせめて電話で断るのが礼儀ですが、両先輩とも忙しいため、メールがベストなのです。

営業の無茶振りに「やっぱり先輩の誘いを受けたほうが良かったか…」と思いつつ、お断りのメールを送ってしまったからにはもう後には引けません。腹をくくります。