電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

これからのこと

いまの会社に残ることに決めました。理由は1つ「日本人舐めんな、このヤロー!」です。学生時代の先輩からの副編集長への誘い、前職の先輩からの新聞記者復帰の誘い、どちらも明日、断るつもりです。

いつも覗いてくださっている方にとって、私がいまの会社に残るということは最も無い選択肢と映っていたかもしれません。散々、紙媒体への想いを書いていたわけですから。

紙媒体への想いは変わりません。記者と編集者、携わり方は異なっても、主戦場は紙媒体です。私のような人間でも、理不尽な世の中に一矢報いることができる可能性がある仕事です。

もちろん、一記者、一編集者ごときができることなど微々たるものです。しかし、新聞記者は自身が書いた記事で、総合出版社である先輩の会社であれば自身が企画・制作した書籍で、何かを投げかけることはできます。

正直言って、いまの会社を辞めてどちらかの誘いを受けることを前提に考えていました。ここ数日、前職の紙面、学生時代の先輩が世に送り出した書籍を見て、2つの誘いのどちらに一層のやりがいがあるかを探っていました。

ただ、急にふと、怒りがこみ上げてきました。Excelの数字だけ見て編集部をバラバラにし、メンバーに不安と失望を与えたくせに、のうのうとしている外人どもに対して、です。

ここ数か月は自分で手綱を握れず、常に振り回されていました。少し落ち着いたいまになって思うと、なぜここまでいいように弄ばれるのか、とにかく腹が立つのです。

腹が立って辞めることは簡単です。しかし、中に残り、しかも慣れないウェブのフィールドで結果を出して「ここまでやると思ってなかっただろ、ざまー見ろ」とひと言、啖呵を切れたら、と思ったのです。

私の会社は全世界に社員約1万5,000人を擁しています。極東のちっぽけな島国でのビジネスなど重視していません。アジア・パシフィック地域の中でもシドニーシンガポールに次ぐ3番目の規模です。

ただ、新しいウェブの製品はどこの国でもやっていないもので、大化けする可能性を秘めています。これが当たれば外人どもにひと泡吹かせることができる、あわよくば書籍編集部の復活も…と考えています。

私の人生に強烈な影響を与えた小説の1つにバルザックの『ペール・ゴリオ』があります。岩波文庫などに入っている『ゴリオ爺さん』です。読んだことがある方がいるかもしれません。

主人公である田舎から出てきた青年・ラスティニャックが、パリ市街を見下ろす小高い場所から、パリ社会を牛耳る社交界に対して宣戦布告する場面で終わります。

「さあ、今度は僕とお前の番だ!」(“A nous deux maintenant!”)

初めて読んだ高校生のころは深く考えませんでしたが、私の師匠にして日本を代表する仏文学者である故・加藤民男先生の講義を聴いてから、世の中に存在する小説の中で最高の終わりだと思っています。

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ラスティニャックのつもりになるのはおこがましいのですが、近くの公園に行って街を見下ろしてみました。パリとはまったく関係ない、横浜市内のごく普通の街並みです。前に書いた「ゆずの木」があります。

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両先輩からの誘いはとても魅力的で、私にはもったいないものです。お断りするのは心苦しく、こんな話は2度とないと思うものの、もう決めました。

外人どもと戦う武器として、とりあえずもう少し英語に磨きをかけなければなりません。「I have a pen, I have an apple.」は分かりますが、まだまだです。CEOが来日したら直接、ケンカを売れるぐらいにならないと。