電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

白ヤキ

取材を終えてオフィスに戻ると白ヤキが届いていました。16ページ(1折)ごとに分けられたものが11点あります。製本時に綴じてあるほうを接着すると1冊の書籍が出来上がります。

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私が外出中に届く予定だったので、アシスタントに受け取りとチェックをお願いしていました。ジャケットを脱いでネクタイを緩め、ひと息ついたところでアシスタントが申し訳なさそうに話しかけてきます。

「ミスが…」

白ヤキで修正するのは怖く、追加料金が発生することもアシスタントは承知しているので、明らかな間違い以外は指摘しません。「こうしたら読みやすい気がするけど」というレベルであればママでいきます。

入稿前にアシスタントと2人でチェックしましたし、その前から私が10回以上読んでいます。目視でのモレを補うために校正ソフトも何度もかけました。それなのに、明らかな間違いがまだあった?

はい、ありました…。

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○ 受給
× 需給

まったく分かりませんでした…。本文がすらすらと読めてしまう内容であることに加え、「ジュキュウ」と音は同じということもあり、完全に見落としていました。もちろん、明らかな間違いです。

アシスタントに指摘されたとき、最初は分かりませんでした。しかし、生活保護の「ジュキュウ」ですから当然、受けるほうの字になります。そのすぐ後は「受給」となっているのに。

「需給」とは需要と供給のことです。「需給のバランス」といった使い方をします。「需給開始決定」という語句では意味がまったく分かりません。日本語としての体を成していません。

以前、制作した書籍で「消火」とすべきところを「消化」としてしまったことを思い出しました。同僚には「音は同じだし」と言われましたが、編集という仕事をしている以上、誤脱字は絶対に許されません。

「もうミスはない」と確信して入稿したのに、翌日にすぐミスが見つかるとは、われながら本当にザルだと痛感しました。当初はあす2日(水)の戻しだったものが4日(金)になったことはこれ幸い。

ギリギリまで粘ります。