読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

あっさりバレる

仕事

「昨日はずいぶんと熱心に広告営業チームを手伝っていたようだが」― バ、バレてる!

なぜ?どうして?バレた理由と言い訳を考えていると、冷や汗が背中を伝います。ただ、ダイレクターの口調も表情も不機嫌なときのものではありません。アメリカ人のダイレクターが本当に怒っているときは氷のような目をするのです。

出社してPCの電源を入れたところで、ダイレクターから「ずずずくん、ちょっと」と声をかけられました。7月の解雇通告のときと同じパターンで、決して良い知らせではありません。

ただ、連れていかれたのは会議室ではなく、オープンなコーヒースペースです。誰かに聞かれたらまずい話ではないようです。コーヒーサーバーからダイレクター自らコーヒーを入れてくれます。そして、ひと呼吸おいてから冒頭のひと言です。

「本来であればよろしくないことだが今回は仕方ない」― どうやら雑誌チームの編集長が「私から頼みました」と手を回してくれていたようです。また、今回の冊子は予想以上の広告が集まり、売り上げ的にも良かったことが幸いしたようです。

いまの編集部でクライアント案件をスムーズにさばける能力があるのは私だけです。書籍や雑誌の制作とは違う能力と経験が必要で、それは新聞記者時代に身についたものです。「営業部に貸しを作ることができた」とダイレクターも満更ではありません。

ところで、なぜバレたのか。

「広告営業チームに新しく入った若い女の子が何度も編集部に来て、ほかのメンバーにあれこれと質問している中で、大きい声で“ずずずさんがいっぱい指示出してくれてるんです”と言っていたぞ」

て、天然ちゃん!ダメだよ、そんなこと言っちゃ!広告営業チームにはまず天然ちゃんの教育をお願いしなければ…と書いているそばから天然ちゃんが来て「ずずずさん、昨日はありがとうございました!」と頭を下げて戻っていきました。

後ほど広告営業チームにメールします、はい。