電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

骨肉の争い

お金があって困るということはありません。強盗や身代金目的の誘拐が怖いというごく一部の億万長者を除き、世の中の大多数の人々にとって、お金があるに越したことはありません。

今日は朝から父方の祖父が残した遺産の相続に関する話し合いに巻き込まれていました。文字通り醜い骨肉の争いを間近で見てしまい、精神的にかなり参っています。せっかく昨夜、良いライブを観たのに。

私の父は4人兄妹の次男です。祖母はもっと前に亡くなっていたので、本来はこの4人で遺産を分けるはずなのですが、祖父が遺言状に私の名前を書いたせいで面倒なことになっています。

父に知らされるまで私はまったく知らなかったのですが、祖父はかなりの土地持ちだったらしいのです。そもそも、昔から祖父は私に妙に厳しく、正直言って苦手、いや嫌いでした。亡くなる前の数年間は会っていませんでしたし。

祖父の孫は私を含めて9人いますが、そのうち遺言状に名前を書いたのは私だけ。姉はとてもかわいがられていたのに、なぜ私の名前だけ書かれていたのかまったく理解できません。

私の父と伯母(長女)は特にお金に執着していないので何も言っていません。しかし、長男(伯父)と3男(叔父)が激しく揉めました。「何でお前がそんなにもらうんだ」「いや兄さんこそもらいすぎだろう」と。

そして、その矛先が私にも向かってきました。「そもそも、何でお前までもらうんだ」と ― 知らねーよ!オレは遺産のことなんて初めて聞いたし、そんなもんに特に期待なんかしてねーよ!

父から初めてこの話を聞いたとき「そんなものいらない」と答えました。“遺産”という言葉に何か嫌なものを感じましたし、子が4人もいるのにわざわざ孫を指名した時点で何だか揉めそうだと思ったのです。

ただ、祖父が依頼した弁護士に「故人の強い意志ですので受けてください」と言われ、仕方なく今日の話し合いに出向いたのです。しかし、やはり行くのではありませんでした。

伯父さんたちに詰め寄られて、何度も「あのクソジジイの遺産なんかいらない」と言ったのですが、同席した弁護士に「故人の強い意志です」と言われ、挙げ句の果てに「いつの間にたらし込んだんだ」と伯父さんたちに言われる始末でした。

お金はあるに越したことはありませんが、別にいま1人で生きていく上で困っていませんし、揉め事に巻き込まれて親族の醜い一面を見るぐらいならそんなものいりません。3男の叔父さん、好きだったのに。

あのクソジジイ、何でわざわざオレの名前を書きやがった。弁護士も弁護士で、遺言状に孫の名前なんか書いたら揉めるであろうことが想像できただろうになぜ止めなかった。金額も半端ないのに。

もうヤだ。あんなところ2度と行かない。遺産なんかいらない。オレの分は伯父さんたちで分けてくれ。オレは普通に生きていければそれでいいの。