電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

お礼メール

メールをチェックしていたら、きのう面接した方からお礼メールが届いていました。就活マニュアルによく書いてある「本日はご多忙な中、面接の機会を賜り、誠にありがとうございました」というアレです。

土曜日の朝イチに仕事のメールをチェックしているとはどういうことか?という疑問はさておき、わざわざご丁寧にどうも…と思う反面、3か月弱の派遣スタッフとしての採用面接に対してお礼メールをいただいたことに申し訳なくなってしまいました。

もっと言うと、雑誌チームの編集アシスタント候補者であって、私に採用権限があるわけではないにもかかわらず「面接担当=重要人物」と思わせてしまったことについて申し訳なく思っています。

「ずずずさんの意見を聞きたい」と編集長に言われ、同席を求められている時点で、それなりに採用権限があるわけですが、最終的に決断するのは編集長です。印象については意見を言いますが、本音を言えば他人事です。

今回の採用について、実を言うと私は乗り気ではありません。「予算が余っているし、人がいないよりはいたほうがよいから採用しておこうか」というのが実情です。確かにその通りなのですが、採用される側にとってどうなのだろう?と疑問に思ってしまいます。

今回、採用しようと考えている方にお願いしたい仕事は、誤解を与えてしまいそうですが「便利屋」的な業務です。書籍を1冊、丸ごとお任せするわけではなく、たまたま1人に一気に集中してしまった業務をそのときだけお願いする感じです。

雑誌チームのアシスタントという建前ですが、雑誌チームの業務だけで週5日フルタイムとはならないため、これから私が始める広告チームの案件なども少しサポートしてもらうことになります。

しかも、12月までという3か月弱だけの期限付きです。弊社側の都合以外の何ものでもありません。何だか貴重な人材を都合良くモノとして扱ってしまうことになりそうで、すごく罪悪感を覚えています。

昨日お目にかかった方は40代前半の男性で、職務経歴書通りのきちんとしたキャリアを積んでこられた方でした。受け答えもしっかりしていて「なぜ派遣社員として働いているのだろう?」と思うぐらいです。

そのような立派な方だったので、なおさら派遣スタッフとして便利屋的業務をお願いするのが心苦しく感じています。年長者をそのように「使う」というのが申し訳ないのです。

私はよく「他人のことを考えすぎ」と言われます。特に景子に厳しく言われることが多く「他人の立場になって考えることは良いことだけど、それで自分を抑えつけすぎるのはずずずくんの悪いところ」と叱られます。

3か月弱の期限付きということはあらかじめ伝えてあり、それでも応募してくださるということは「こちらは短期間でもとにかく収入を得たいのだからそんなこと気にするな」ということなのではないかと思います。

しかし、立派なキャリアとスキルがある年長者をこちらの都合で「使う」のはいかがなものかと思ってしまうのです。ものすごく優秀なのになかなか就職が決まらず、中小零細企業にまで応募したものの、応募された側は「こんな優秀な方を採用しては申し訳ない」と思うのと同じような感じでしょうか。

もし、就職活動中だけど不採用が続き、凹んでいる方がいれば参考にしてください。あなた自身に問題があるのではなく、面接する側が余計な気を回していることもあるのです。

そして「そんなことは気にしなくていいから、とにかく採用してくれ、仕事をくれ、収入がほしい」という気持ちが伝わっていないことも多いのです。面接する側も悩むのです。

こう言ってはなんですが、採用するかしないか、今回は編集長次第です。先日は私が決定権を持っていたので苦悩しましたが、今回は端から傍観させてもらいます。ごめんよ、編集長。