電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

私 結婚しないんじゃなくて、できないんです

私は毎日、午後7時ごろに会社を出ます。先日も書いたように、外資系では「残業=通常の業務時間内で仕事が終わらない=無能」と判断されます。定時である午後6時を過ぎると、オフィス内は一気に人がいなくなります。

編集という仕事は時間でぴったり区切れるものではありません。編集部は午後6時を過ぎてもかなりの人数が残っています。とはいえ、あまり遅くまで残っていると無能扱いされてしまうので、1時間の残業で午後7時に出るわけです。

この時間に出ると、会社の最寄り駅から1駅移動した乗り換え駅で横浜方面への京急直通の快速特急に乗れるということもあります。品川駅などで乗り換えずに済むのでとても便利です。

また、この時間の電車はふみちゃんとの遭遇率が高いのです。たぶん、ふみちゃんにとってもこの快速特急は便利なのだろうと想像しています。朝と違い、帰りの時間を合わせるのは難しい人がほとんどでしょうけど、私は大体、合わせられるのです。

新聞記者時代は午後9時前に会社を出ることなどありえませんでした。午後7時など「さてこれから夜討ちにいこうか」という時間ですし、取材から会社に戻って原稿を書き始めるような時間です。

本社の経済部に異動してからも、午後9時過ぎから社会部や政治部と翌日の1面争いをするなど、これからあらためて仕事を始めるぐらいの勢いの時間です。毎日、当たり前のように日付が変わるころまで仕事をしていました。

転職したばかりのころ、午後6時や7時に会社を出られることに驚くとともに、大喜びしました。コンビニと飲み屋以外にもたくさんのお店がまだ開いていることが新鮮でしたし、タクシー乗り場に行列ができていないのが不思議でした。

しかし、それはすぐに当たり前になり、物足りなくなりました。そもそも、家に帰ったところで誰かが待っているわけでもなし、特にやることもなく、気づいたら仕事をしているようになりました。奥さんや子どもがいれば家で仕事などしないのでしょうけど。

誰もいない家に帰ることなど慣れていますし、寂しいなどと思ったこともありません。ただ、それでもたまに、何となく早く帰りたくなくなり、2駅手前で電車を降りて、川沿いをのんびり歩いて帰ります。

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誰かが家で待っているというのはどのようなものなのでしょう。結婚とは楽しいものなのでしょうか。相手が見つかるわけもないので、これまで真剣に考えたことがなく、いまいちピンときません。このままのんびりお一人さまでもいいかな。