電車の中の恋人

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個人ブログで注目を集める

毎日、更新すること ― 芸能人でも有名人でもない一個人のサイトやブログに注目してもらうにはこれしか方法がありません。言われてみれば簡単で、ごく当たり前のことですが、これを実践するのがどれだけ難しいことか。

私は数年前、個人でサイトを運営していました。Web上で面白そうなニュースを見つけ、そこに自分なりの意見を追加してコラム形式で紹介する、いわゆる個人ニュースサイトと呼ばれるジャンルのものです。

1日8,000~9,000アクセスを集め、Web上だけではなく雑誌で紹介されたり、人気個人サイトの管理人としてインタビューを受けたり、座談会に出席したりするなど、一部の人々にはそれなりに知られた存在でした。

冒頭のアドバイスを私にくれたのは下記サイトの管理人さんです。

Narinari.com

ご存知の方も多いかもしれません。“ブログ”なるものがまだなく“テキストサイト”という呼び方が全盛だったころから続いているサイトです。私が個人ニュースサイトを始めたのは、ここに憧れたからです。

自分も何か情報を発信してみたい、自分の考えを誰かに聞いてもらいたい、自分の考えに対して意見をもらいたい、自分と異なる意見を聞いてさまざまな観点から物事を見られるようになりたい、という思いからサイト運営を始めてみました。

始めてから1週間ぐらいはやる気満々なので誰でも更新できます。しかし、当たり前のことですが、何の反応もないと徐々にやる気が削がれます。毎日、複数回更新しているのに、1日の終わりにアクセス解析を見ると、アクセス数1桁の日が続くわけです。

何とか1か月、続けることができました。しかし、すでに青息吐息の状態です。そのとき、たまたまネットで見かけたイベントに出かけ、上記サイトの管理人さんに出会い、偶然にも話す機会を得られたのです。

それからコツコツと更新を続けました。自分の考えを書き続けました。開設から半年ぐらいでようやく、アクセス数が毎日2桁になりました。そして10か月ぐらいで3桁を超えるようになりました。この頃には毎日、何かしらのコメントをもらえるようになっていました。

そしてある日、何の予兆もなく、爆発的ヒットを記録するようになりました。それ以降、1日のアクセス数が4桁になり、コメントやメールも相当数になり、コメント欄で見ず知らずの訪問者同士で議論が繰り広げられるようになりました。

個人のサイトやブログでよく「自分の備忘録として書いている。誰に見てもらえなくても構わない」というものを目にします。

本当?誰でも見られる状態でWebに発信しているということは、誰かに見てもらい、意見をもらいたいからじゃないの?少なからず期待しているんじゃないの?誰にも見てもらえないとして1か月以上続けられる?

少なくとも、私は誰かに見てもらい、意見をもらいたいと思っていました。それがまったくない日々はとにかく辛く、モチベーションを保つのが大変でした。それでも毎日、せっせと更新を続けました。

十数人しか見ていないサイトの更新を半年以上続けるのは本当に大変なことです。しかも仕事をしながら、です。「今日の更新、やめようかな」と思ったことは数えきれません。だって、更新しても何の意味もないのですから。

それでも、何でもよいからとりあえず毎日、更新を続けました。自分がよく見ているサイトを開いたとき、更新されていると翌日も見てみようと思い、逆に更新されていなかったらガッカリします。言われてみれば当たり前のことです。

文章の上手さであるとか、ネタの面白さであるとかは、それ以降の問題です。まず毎日の更新を続けること、しかも最低1年間。いまWeb上で注目を集めているのは例外なく、続けられている人々なのです。