電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

紙媒体

コンビニに行こうとマンションを出たところで、新聞記者時代の後輩にばったり遭遇しました。新聞記者時代は会社契約のマンションに住んでいたため、辞めてから引っ越しました。彼は、私がここに住んでいると知らず、たまたま近くで取材があったそうです。

彼とは確か2年ぶりぐらい。何か話したいように見えますし、私も古巣の様子を聞きたいので「時間あるならうちでコーヒーでも飲んでいく?」と誘ってみたら「はい!」と即答でした。

「社長が始めたWebの成績が良いからって最近、Webチームがのさばっているんです。誰も社長やWebチームに意見できなくて、それでもAさんやBさんが身体を張って意見したんですけど、販売局と広告局に飛ばされてしまいました」

Aさんは政治部のエース、Bさんは運動部で派手ではありませんが丁寧な仕事をする、2人とも優秀な記者でした。2人とも取材対象から信頼を得ていて、その経験と人脈は会社の貴重な財産と言っても過言ではありませんでした。

Aさんが大手全国紙を抜いてスクープを取ってきたとき、Bさんと同行した際に「あっ、Bさん!」とアスリートのほうから笑顔で駆け寄ってくる姿を見たとき、自分もこうなりたいと思ったものです。

私は古巣の新聞をいまでも購読していますが、1年前ぐらいから明らかに質が落ちたと感じています。以前なら1面トップにならなかったようなネタ、取材が足りない浅い記事、ピントが外れた見出し、紙面レイアウトなど、すべてが目に見えて悪くなっています。

そのほかにも「えっ、あの人が!」という各部署の経験豊富なベテランが畑違いのポジションに異動させられていました。チェック体制というか、目を光らせる人たちがいなくなってしまったのです。昔よく怒鳴られたなあ…。

Webの成績が格段に良いというわけではないそうです。ただ、それ以上に紙の成績が悪すぎるため、Webの成績が目立つらしい。新聞は紙派という昭和な人間の私には釈然としないものがあります。

インターネットが世に出たとき、ものすごい技術革新だと思いました。人類の生活を根本的に変えてしまう、と。ただ、紙に対してここまでの脅威になるとは思っていませんでした。

私はこれまで、いくら電子媒体が発達しても紙媒体がなくなることは絶対にないと思っていました。しかし、今日初めて、もしかしたら紙媒体が完全になくなる日がくるかもしれない、と思いました。しかも、そう遠くない未来に。

なぜ急にそう思ったかは上手く説明できません。もちろん、自社の書籍出版事業からの完全撤退や古巣の状況を聞いたせいではあるのですが、それだけではなく、急にふと感じたのです。いつか考えを整理してまとめてみたいと思います。

これまで一貫して紙媒体の制作に携わってきましたが、そろそろ潮時なのかもしれません。