電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

ジョブホッパー

9月末での退職が決まっている同僚と昼メシを食いにいきました。彼はすでに有休消化を始めており、週に1回は休んでいますし、私もバタバタしていたので、なかなかゆっくり話す時間がなかったのです。

彼は新卒から一貫して出版社で書籍を編集・制作してきた純粋な編集者です。昨年もかなりの業務量で、端から見ていても辛そうでした。それでも編集の仕事が好きなので何とかガマンしていたそうですが、昨年末の時点で2016年の刊行計画が決まっていない社内の様子を見て、1月から転職活動を始めたそうです。

転職の際「いまの仕事はやりがいがあり、不満もありませんが、もっとステップアップしたいと考えました」と言う人、いっぱいいます。もちろん、私も面接で同じようなことを言いました。しかし、本当に何の不満もない人は転職しません。

転職活動をしたことがある人はお分かりだと思いますが、転職活動はとても労力を使います。時間、お金、体力、不採用通知を受け取ったときの落胆など、身も心も追い込まれます。それでも転職活動をするということは、よっぽどの不満があるということです。

昼メシを食いながら、彼もうちの会社に対する不満をこれでもかと並べ立てました。言いたい気持ちはよく分かりますし、私も同じように思うことが多くありました。しかし、私はまだ残る可能性があるにもかかわらずそこまで言われると、正直言ってあまり気分の良いものではありません。

それに、どこにいっても必ず嫌なことがあります。転職したばかりのころは当然、楽しいと思いますが、1年ぐらいで嫌な部分が見えてくるはずです。

私も新聞記者の終わりのころは地獄で、ここに入ったときには「何、この天国!」と思いました。しかし、これまでに嫌な部分もいっぱい目にしましたし、いまはリストラ真っ最中という究極のストレスフルな職場になっています。転職が脳裏をよぎることも多々あります。

その一方、結局どこも同じという思いもあります。社会人生活をそれなりの年数、経験している人ならよく分かると思いますが、100%満足できる職場など世界中のどこにもありません。理想だけで仕事ができたら、どれだけ幸せなことか。

また、転職には麻薬的な側面があると思っています。もちろん、評価されて採用されたという満足感のほか、“自分は別の場所でも必要とされている”という前の会社に対する優越感です。転職を一度、経験してしまうとつい安易に転職を考えてしまいます。

彼は次の転職先で4社目になります。転職を繰り返す人のことを“ジョブホッパー”と呼ぶそうです。彼には素質がありそうですが、ジョブホッパーにならないよう祈るのみです。