電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

「就社」と「就職」

国内企業で働くことはあくまでも「就社」であって「就職」ではありません。

リストラを実行しなければならなくなった際、国内企業であれば配置転換などによって何とか雇用を守ろうとしますが、外資系企業はそのようなことがありません。会社ではなく職種を重視しているからです。自分の職種、ポジションがなくなるのであれば退職するのは当然のことと考えています。

何だかんだ言っても、国内企業はまだ終身雇用という考えが強く、私自身にもその概念があります。「一旦、入社すればみんな家族。家族であれば必ずそこにいる意味があり、どんなに辛くても家族を見捨てることはない」という考え方です。

しかし、外資系企業は違います。社員が発揮する能力、会社が社員に与えた職種に対して上げた成果を重視します。ポジションがなくなるということは、その社員が能力を発揮する場がなくなり、会社に対して成果を上げられなくなるわけだから不要、となります。文字通り、成果主義です。

また、個人のキャリア形成に主眼を置いていることも外資系企業というか外人の特徴の1つではないかと思います。例えば、私の場合、新聞から書籍と、これまで一貫して紙媒体の制作でキャリアを形成してきました。それなのにオンラインメディアに異動するということは、外人にとって大変な事態なのです。

昨日のマネージャーとの面談で興味深かったのが、彼が私に対して、雇用がなくなることよりも、これまでのキャリア形成からの転換を強いることについて申し訳なく思っていたことです。そのため、私がオンラインメディアに興味を示したことに驚いていました。

私としては、当面は給料がもらえて、さらに慣れない営業などではなく商品作りに携われるということで、それほど気にしていませんでした。じゃぱにーずさらりーまんです。

見方を変えれば、私に対して社内での配置転換を提示してきたということはものすごく評価されているということでもあります。「大変な決断を迫ってしまうけど、必要な人材だから何とか残ってほしい」という気持ちの表れです。営業やマーケティングでは、配置転換など提示されていないそうです。即クビ。

同じ部署の仲間はもちろん、ふだんあまり接点がない他部署といえども同じ会社の仲間ですから、結構堪えます。

1年に1回しかない誕生日にリストラ通告を受けるという、身体を張ってネタを仕入れる天性の芸人体質の私でも、さすがに熟睡できず、眠りが浅いまま休日の朝を迎えました。ブサイクですが、こう見えて意外と繊細なのです。