電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

編集者の服装

編集者は基本的に私服です。外部の人と会うことが少なく、会うとしてもデザイナーなど相手も私服ですので、スーツやジャケットを着る必要がありません。スニーカーは履きませんが、いわゆる革靴も履きません。

記者時代はスーツにネクタイが基本でした。クールビズが浸透し始め、夏場にはネクタイを外すことも少なくありませんでしたが、企業の役員や部長クラスは夏場でもネクタイを締めている方が多く、インタビューにうかがう際などはやはりこちらもネクタイを締めなければなりません。

それがいまは、シャツとチノパンが基本です。ジャケットを羽織らず、スラックスを履くこともあまりありません。弊社はさすがにTシャツは不可となっているのですが、夏場にポロシャツやタックアウト(裾を出すこと)も可です。

たまにスーツにネクタイというときもあります。著者との打ち合わせや、営業に同行してクライアントの下に赴くときです。弊社は雑誌を刊行しているため広告のクライアントがいますし、オンラインサービスを提供しているのでそれを利用しているクライアントがいます。

弊社は都内でも外資系が集まるエリアにオフィスを構えているため、ランチタイムなどで外に出ると、高そうなスーツをビシッと着こなしたサラリーマンやオシャレOLをよく見かけます。そのような中で、シャツのボタンを2つ開けて裾を出し、ベージュのチノパンの私は「どこのフリーターだよ」と思われている気がしてなりません。

別に毎日スーツを着ても良いですし、社内の営業部隊は常にスーツです。ただ、みんな私服の編集部の中で1人だけスーツというのも浮きますし、そもそもずっとデスクで原稿とにらめっこしているわけですから、服装だけでも楽でありたいと思います。

春先から先月あたりまで、見るからに新入社員や就職活動中の学生など、スーツを着こなすどころか逆にスーツに着られている若者を多く目にしました。そういう若者にも「いいよな、お気楽で」と思われていたかもしれません。

ただ、振り返ってみると、私自身も新入社員時代、私服で働くというイメージがなく、オフィス街で私服の人を見かけるたびに怪訝な目を向けていた気がします。世の中の仕組みをよく分かっていなかった若造ということで勘弁してください。

世の中にはさまざまな仕事があります。私はなぜ記者になったのか、また苦労して採用された記者の職を離れてなぜ編集者になったのか、このままずっと編集者を続けていくのか、続けられるのか。

編集者という仕事はとても大変ですが、少なくともやりがいを感じられる良い仕事だと思います。いわゆる版元の編集者になるのは狭き門で、くぐり抜けるのは至難の業です。しかし、くぐり抜けた先に、それを乗り越えただけのものがあると思っています。