電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

声を聞く

電恋というと名前はもちろん年齢や職業など何も知ることができませんし、声を聞くことすらできません。通勤中は大抵1人ですし、電車内で電話するということも滅多にないでしょう。つまり「声を聞く=話しかける=無理!」となるわけです。

しかし、私は声を聞くことができます。他社線への乗り換えの際、彼女はいつも同じ職場の数人と一緒になり、おしゃべりしているのです。それがまた見た目通りのかわいい声で、毎朝癒されています。

それと同時に、聞きたくないことが耳に入ってしまうこともあります。はっきりと聞こえたわけではないのですが、どうも彼氏の話っぽいことが。あれは去年のクリスマスイブの翌日のこと。

友達:「昨日はどうしたの?」
彼女:「日本橋のレストランで…」
友達:「そっかー。私は全部彼に任せて…」

冷静に判断して、彼氏の話でしょう。声が聞けることを喜ぶべきか、悲しむべきか。まあ、あれだけかわいいいのだから彼氏がいて当たり前なわけで、悲しむことからして筋違いというもので。朝から毎日かわいい声が聞けて爽やかな気持ちになれるだけでよしとします。

一般的な人ならここで目から水が流れるところでしょうけど、ブサメン歴が長い私の目の水分はとっくに枯れ果てています。淡々と事実を受け止めるのみです。