電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

芸人体質

「とても良い香りですね。何をつけてるんですか?」

今朝、京急横浜駅のホームで特急を待っていると、見知らぬ若い女性に突然、話しかけられました。しかも、美人と言ってもよい女性です。

まさか私のようなブサイクに話しかけているとは思いもよらず、無視してスマホでニュースをチェックしていました。

しかし、わざわざ肩をトントンと叩かれ、冒頭のひと言です。寝不足でボーッとしていた頭が瞬時にフル回転しました。

保険の営業か?いや、宗教の勧誘か?いやいや、絵画を売りつけるつもりか?もっと高額な宝石ではないか?まさか痴漢の冤罪をでっち上げようとしているのでは!

ブサイクに話しかけてくる美人は要注意ですので厳戒態勢を整えつつ、しかし表面的には突然の自体にも動じない大人の余裕を見せつつ、対応します。

私:「私の香水のことでしょうか」
美:「はい、そうです」
私:「ロクシタンのセドラというやつです」
美:「へー、初めて聞きました」

会話はそれだけでした。その女性は「ありがとうございました。それじゃ」と言って、ホームの階段を降りていってしまいました。

マンガであれば、頭の上に「?」がいくつも浮かんでいる状態です。そのまま同じ電車に乗るわけでもなく、たまたま通りがかっただけなのでしょうか。

いや、たまたま通りがかっただけで見ず知らずの男に話しかけるというのは理解できず、やはりブサイク専門詐欺のような気もします。

これは調査しなければ…新聞記者時代の好奇心がわき上がります。週明けにも現れるのか、注意して周囲をチェックしてみるつもりです。

それにしても、自然とネタが集まってくる、この天性の芸人体質は何とかならないものか。

どん底でもがく

お昼ごはんを食べようと外に出たら、ふみちゃんらしき女性を見かけました。遠目だったので定かではありませんが、すぐに回れ右してデスクに戻りました。

私の仕事は基本的に1人で進めます。進捗はそれぞれ異なるため、昼休みは一律に12~13時ではなく、手が空いたときに取ります。

お昼どきはどこも混雑するため、私はいつも13時以降にお昼ごはんを食べるようにしています。新聞記者時代もそうでしたが、この仕事のメリットの1つです。

ただ、今日は13時にミーティングが設定されていたので12時にオフィスを出たところ、ふみちゃんらしき女性を見かけたわけです。

こうなってしまうともう外には出られません。ふみちゃんにこんなブサイクな面を見せるわけにはいかないので、仕方なく今日はお昼ごはん抜きです。

電恋というと通常、乗降駅間の数駅だけ一緒ということがほとんどですが、私の場合、ふみちゃんが働いているであろうオフィスビルが近く、降りてからも一緒です。

昼休みに見かけることも、帰りが一緒になることも度々あります。ここまで好きになり、なかなか忘れられない理由はここにもあるのではないかと思っています。

好きになるだけならブサイクでも許されるはずです。それ以上はブサイクに過ぎた望みですし、私もそこまで望みません。

ただ、ずっと好きでいて、帰りに自宅近くの小さな稲荷社でふみちゃんの幸せをお願いするぐらいであれば誰にも責められないと思っています。

インドへ異動したらふみちゃんにはもう2度と会えなくなるはずです。もし、インドへの異動が確定したら、私は会社を辞めるつもりです。

しかし、日本に残ったとしてもいまの会社でなければやはりふみちゃんにはもう2度と会えなくなるでしょう。いずれにしても、ふみちゃんに会えなくなります。

会えないのはもちろん辛い、しかし会えても決して想いが届くことがないので辛い。仕事もプライベートもどん底でもがいています。

お腹空いた。